50th Anniversary Message

【祝】:母校50年:《漸く愛知医科大学卒と言える母校として進化・進展してきた本学に向けて》

福沢 嘉孝(医学部第7期生)

愛知医科大学大学院 戦略統合医療・健康強化増進学
愛知医科大学病院 先制・統合医療包括センター(AMPIMEC)教授・部長

19784月の入学式でのトラウマ体験を思い出します。それは、入学式に参加しようと旧病院のAB病棟を繋ぐ階段での種々新聞記者の取材を受けました。その時、最も衝撃的な体験は、某記者が「何故、こんなに問題の多い医科大学に入学されるのですか?」との質問でした。当時18歳の純粋無垢な小生にとっては、医学部には入学するのも難しいのに、このヒト達は何を言っているのだろうか?との素朴な疑問でした。他県出身者としては、その当時の本学の地元での評価を全く知らなかったので、「勿論、地域に必要とされる良医を目指すためです」と回答したところ、「こんなレベルの低い医学部で良医になれるのですか?」と記者達が苦笑いしたのでした。その時、ふと我に返り、1977年までの種々難題を抱える本学の歴史が蘇りました。そこで、記者達に「この大学の歴史を塗り替えるためにも入学するのです!」と巻き返したら、皆、不思議そうな顔をして去って行った事を今でも鮮明に思い出します。あの皮肉的トラウマ体験から、約40年が経過しましたが、約束通り確かに種々課題が改善・改革して来ている事を着実に実感している次第です。

小生は、研修医1年間は、本院で研修しましたが、その後、約4年間は労働福祉事業団;中部ろうさい病院という所謂“野戦病院”で研修医・内科医員として激戦病院を乗り切って来ました。年中無休で帰宅時間も遅い毎日(深夜)が通常で、誰も教えてくれる指導医も居ない中で、小生1人で諸先輩達の種々技術を背中から見て自分のものにして行き、殆どの内科的手技を修得できました。これも本学2代目内科学第1講座の加藤克己教授(現、本学名誉教授)をはじめ、中部ろうさい病院当時大変お世話になりました松尾清一先生(現、東海国立大学機構長)、河村孝彦先生(現、中部ろうさい病院DM研究センター長)・村瀬賢一先生(現、化学療法部長)のお陰と深謝しています。彼らが小生を厳しく鍛錬してくれなかったら、現在の小生は存在しなかったと思っています。1989年(平成元年7月)に帰局後は、臨床をしながら、夜間に論文博士を目指し、研究を継続していました。本学臨床の恩師とも言える志水明浩先生(現、志水クリニック理事長・院長)、研究の恩師とも言える故長浜真人先生(元、鈴鹿医療科学大学教授)にお世話になりながら、平成8年自称“ペリー総督(故各務伸一教授)”をお迎えする事に繋がりましたが、故各務先生下の体制は、これまでの医局とは未曾有の体制で、毎日1回以上は教授室に呼びつけられて叱咤激励されながら、英文執筆等これまでに味わった事の無い過酷な毎日を過ごしました。また、国内留学先の共同研究者;小路武彦先生(現、長崎大学大学院医歯薬学総合研究科長)にもお世話になり、そのお陰で今の業績(https://researchmap.jp/read0174798/)が残せたのかも知れないと思っています(FACP称号授与)。

従って、人生も仕事もまさに《運》(以下、ヒトとの巡り会い)次第だと思っています。最終目的を目指しながら、それに向かって進むのもそのヒトの《運》、その様な世界が嫌で、多くの医局員が辞めて開業しましたが、それもそのヒトの《運》次第なのです。しかし、ゆっくりですが、確実に本学・本院にも他大学医学部に負けない位の春の徴候が見え始めているのを実感しています。

小生の飼い犬のラッキーちゃんも50周年を祝賀している

小生は令和361日付けで、一般社団法人 愛知医科大学同窓会(愛橘会)の会長に就任しましたが、最初は具体的な種々問題点が全く分からない儘、85日に旧体制下と円満引継ぎをしました。その後、種々案件が浮上し、同窓会自体の難題も2021年末迄に全て把握し、その解決に向かって早急に体制を改善・改革すべく微力ながらも鋭意尽力を継続中です。小生がHPhttp://www.aichi-med-u.ac.jp/dousoukai/index.html)に掲げた8本の大きな柱の内、この8ヶ月で5本は既に達成しました。残りの3本は、コロナ禍の影響でなかなか実現困難でしたが、残り3本の内の1本の課題である毎年5月に開催される総会(Web)および50周年式典への皆様のご支援・ご協力を賜れば、2本は達成した事になります。さて、最後の1本でもある財政基盤の磐石な構築・その組織運営基盤には、執行部会内に会計監査担当理事を設置し、監事と共にダブルチェック体制(毎月1回監査)としました。また、弁護士・社労士も雇用して更なる改善・改革を図る予定で鋭意準備を進めています。顧問弁護士は既に雇用済み(令和4226日の理事会・幹事会承認済み)です。

いずれにせよ、この創立50周年式典には執行部を初め、理事・監事・代議員、その他の全国の同窓生が注目している中で、大いなる変遷を成し遂げた本学を皆様にも十分に堪能して頂きたいと思っていますので、是非ともご参加を何卒宜しくお願い申し上げます。また、今後もより一層、愛知医科大学医学部医学科卒業生として自負できる様にご指導・ご鞭撻の程、何卒宜しくお願い申し上げます。

富士に向かって咲き乱れる向日葵 (比喩;富士=目指す目標,向日葵=同窓生)