50th Anniversary Message

訪問看護師への第1歩

寺嶋 香里(看護学部第4期生)

ひとまちここ訪問看護ステーション 管理者
在宅看護専門看護師

 

愛知医科大学創立50周年おめでとうございます。母校が発展を続け、50周年を迎えられますことを大変うれしく思います。

私は、20034月に愛知医科大学に入学しました。初めての一人暮らしと愛知医科大学での生活に不安と期待があったことを覚えています。入学直後、看護の各領域の専門分野について講義がありました。私は高校生の頃から訪問看護に興味をもっていたため、この講義を受講したあと「在宅看護のことをもっと知りたい」、「訪問看護をやりたい」と地域在宅看護学領域の教員の研究室を訪ねました。これが私の訪問看護師への第1歩でした。

さまざまな講義、実習がありましたが、大学4年間の私の興味関心は「訪問看護」でした。ゼミは必ず地域在宅領域を選択し、ゼミの講義では在宅療養している医療的ケアが必要なお子さんの訪問看護に同席させて頂く貴重な体験をしました。また、訪問看護師は地域で活躍する看護職ですので、地域の学童ボランティアや、障がいのあるお子さんの見守りボランティアに参加しました。大学を卒業してすぐに、訪問看護に携わりたいと思っていましたが、当時(2007年卒業)は訪問看護師を新卒から育成する組織がほとんどありませんでした。そのため大学卒業後の就職先に関しては、とても悩みました。現在では新卒訪問看護師を育成する組織が多くありますが、当時、唯一(と思いますが)東京で新卒訪問看護師を採用している組織があり、就職を機に東京に来ました。それ以降、東京で訪問看護師として働き続けています。

私が新卒訪問看護師として勤務し始めたときは、訪問看護ステーションに新人は私だけで、ベテラン先輩訪問看護師の実践を見て、何もできない自分に凹む日々が続きました。そんなときに、私を支えてくれたのが、地域在宅看護領域の教員や第1期生で訪問看護をしている先輩でした。大学卒業以降も、教員、先輩との交流が続いており、いまでは新卒からベテラン訪問看護師が集まる「ぷくぷく会」が発足しています。「ぷくぷく」とは、発酵から由来しており、『成長・成熟する人たち』という意味を込めて命名されました。愛知医科大学の卒業生以外の訪問看護師の方も参加してくださり仲間が増えています。コロナ禍であり、皆で集まることが難しくなりましたが、全国各地にいる訪問看護師の仲間がオンラインで対面し、情報共有や訪問看護のもやもやを解決しています。

コロナ前のぷくぷく会の様子

私が訪問看護を続けてこられたのは、愛知医科大学での学び、経験、仲間がいるからです。この素晴らしい場が今後もますます発展されていくことを願っています。