50th Anniversary Message

創立50周年を迎えてさらに広がる同窓生の絆

大輪 芳裕(医学部第9期生)

荒川医院 院長
公益社団法人愛知県医師会 理事

 

わが母校であるとともに、長きにわたって臨床医として研鑽させていただいた愛知医科大学が、創立50周年を迎えますことを心からお慶び申し上げます。

昭和55年入学、ワンゲル部に入部しました。入部早々5月ゴールデンウイークは大峰山での合宿、初夏は鈴鹿山脈での訓練、夏は2週間の日本アルプス縦走合宿、春は山スキー合宿、その合間には南山での岩登り訓練と山三昧の学生生活でした。山登りは衣食住ともにするスポーツであり、ここで多くの仲間と絆を築きました。

昭和61年卒業し、母校の第1外科教室に入局しました。山本貞博先生が主任教授を務められ、新設私立医科大学として初めて担当する日本消化器外科学会の準備のため医局内は活況を呈していました。山本先生のお考えで、研修医は大学病院で医師として、そしてまず社会人として厳しく教育する方針でした。手術の第3あるいは4助手、外回り、カメラ当番、実験の助手からデーター整理までの手伝い、学会のはがきのハンコ押しまで多くの経験をしました。外の基幹病院で研修した同期のように手術の執刀などほとんどありませんでしたが、医師になって最初の一番大事な時期に先輩方の深い経験や知見を吸収できただけでなく、臨床や研究を行うための考え方やその組み立て方を学べたことが今も私の大きな財産となっています。そして、平成10年に講師に昇格してからは消化器外科の病棟係としてポリクリの学生の症例報告のアシストや内科の消化器カンファにも参加させていただき、後輩から医局の先輩の縦の絆だけではなく診療科を超えた横の絆もしっかりと築きました。

第1外科(消化器外科)歴代の教授
写真最前列左より 竹重言人先生、岩月舜三郎先生(ピッツバーグ大)、山本貞博先生、祖父江逸郎学長、小池明彦先生
2列目左よりなぜか私、1人おいて3人目小島卓先生、成瀬隆吉先生、野浪敏明先生(名大)

平成17年からは、春日井邦夫先生を部長とする愛知医大内視鏡センターの立ち上げにも副部長として参加しました。しかし、平成19年急な父親の病により大変悩んだ末、23年間務めた愛知医大を辞し父の診療所を次いで地域医療に転身しました。

平成22年には愛知県医師会の理事に就任しました。愛知県医師会理事は約1万人の会員に対して15名の定員で代議員の選挙で選ばれますが、新設医大である愛知医大出身者は初めてでした。西も東わからぬ私に他大学出身の先輩役員より暖かく迎えていただき今でも感謝感激の限りです。それから13年が経過し、愛知県医師会には、医局の先輩であった樋口俊寛先生、同窓生の小出詠子先生、田那村收先生、舩橋克明先生が理事として参加されました。小出先生はワンゲル部の先輩でもあり30年ぶりの再会となります。愛知医大同窓生は4000人を超え、私のように職場や働く地域が変わっても同窓生の絆は縦に横に紡がれていくことを痛感しました。

今後ともこの絆が広がっていくことを祈念し、お祝いの言葉に代えさせていただきます。