50th Anniversary Message

対話することを大切に

越知 千景(看護学部第13期生)

愛知医科大学病院看護部手術室

愛知医科大学創立50周年おめでとうございます。我々の母校がこの度創立50周年を迎えられたことを大変喜ばしい限りと存じます。

私は2012年4月、愛知医科大学看護学部に入学しました。入学式当日、看護学部棟の前の桜が満開で、これからの大学生活に期待と不安で胸が一杯だったことを覚えています。在学中は、授業や実習、部活動、ボランティア活動を通して様々な人と出会い、多くのことを学びました。ときに一人の患者について皆で話し合い、先生たちも自由にその時間を設けてくださいました。仲間たちと対話することは、それぞれが考える看護について意見を交換する貴重な機会でした。そういった時間を共にした仲間たちが今、様々な場で活躍していることを大変誇らしく感じます。

実習をともにした仲間たち
学生時代のボランティア活動の様子

私は現在、愛知医科大学病院手術室に勤務しております。手術室数は19部屋あり、年間手術件数は1万件近くにのぼります。手術は手技や機材の進歩により、高度かつ複雑化し,長時間を要する手術も年々増加しています。そのなかで我々手術室スタッフは、患者が安全かつ安心して手術を受けられるよう日々努めております。

当院手術室

手術室では、基礎教育では学ばない術式や手術器械があり、多くのスタッフが目の前の技術習得にとらわれてしまいます。しかしその根底には、患者に最も近い存在として、手術に伴う侵襲が最小となるように心身の負担を軽減する看護の役割があるということを忘れてはいけません。私は部署でスタッフ教育に関わる立場にあります。教育のなかで、大学生活で学んだ対話することを大事にしています。一人の患者について、どう考えるのか、どう考えるべきだったのか話し合う時間をつくれるよう試行錯誤しています。目まぐるしく過ぎる日々の業務の中で、手術看護について対話する時間を大切にしていきたいと思います。

愛知医科大学創立50周年を迎え、今も多くの卒業生を輩出し、医療の場でご活躍のことかと存じます。今後ますますのご躍進を心よりお祈り致します。